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埼玉県さいたま市

清泰寺

2005年12月10日

清泰寺は天台宗の寺で慈了山覚源院といい、平安時代初期の高僧慈覚大師円仁(延暦寺三世座主)によって開かれたと伝えられている。本尊は十一面観音立像(秘仏)で、江戸時代初期の作とされている(市指定有形文化財)。
境内に並ぶ351基の庚申塔は、天明3(1783)年と万延元(1860)年に建てられたもので、一括して市指定有形民俗文化財になっている。また、ここにある武田信玄の娘見性院の墓は県の旧跡に指定されている。
見性院は、穴山梅雪(武田の武将)の妻であったが夫の死後、徳川家康の知遇を得、大牧村を采地として与えられていたが、元和8(1622)年没して清泰寺に葬られた。見性院が養育した2代将軍秀忠の子幸松丸(後の会津23万石の城主保科肥後守正之)は3代将軍家光を補佐し幕政で活躍した。
また本堂須弥壇に安置されている有泉勝長木碑も市指定有形文化財である。有泉家は勝長の弟五兵衛が大牧村に居住し、子孫累代見性院の墓所に奉仕したといわれている。
(看板資料より)

市指定有形文化財(工芸品)
見性院霊廟三具足
三具足とは、香炉、花瓶、燭台からなる仏具です。清泰寺の三具足には三基とも毛彫りの銘文があり、寛政元(1789)年に会津藩主により見性院霊廟に寄進されたものであることがわかります。いずれも真鍮製で、時代を反映して本体は簡素ですが、香炉の蓋に獅子、花瓶と燭台にはそれぞれ一対の揚羽蝶の飾り金具がつきます。保存状態がよく、制作年などの由来が明らかな金工品として貴重なものです。

市指定有形文化財(歴史資料)
有泉勝長木牌
有泉勝長は会津藩士で、清泰寺ゆかりの藩主保科正之より三百石を与えられていました。この木牌は、勝長の37回忌にあたる元禄16(1703)年に、勝長の娘婿勝隆が清泰寺に納めたものです。ケヤキ製で総高84.6cm、正面に勝長の法名などが刻まれています。また他の三面には、武田信玄、穴山梅雪、見性院、徳川家康、秀忠、保科正光、正之、勝長などの事績を詳細に記す牌後譜が刻まれています。
(看板資料より)

県指定旧跡 見性院の墓

見性院は武田信玄の娘で、穴山梅雪の妻でしたが、梅雪の死後、徳川家康に養われていました。そして二代将軍秀忠に男子幸松丸が誕生すると、その養育を頼まれ、七歳まで育てました。幸松丸は後に信州高遠の城主保科正光の養子に迎えられ、保科正之と称しました。正之は高遠から最上へ、そして会津へと移り、23万石の大名となり、幕政にも参画しています。
見性院は元和8(1622)年に没しました。大牧村が所領であったことからここ清泰寺に葬られましたが、見性院に受けた恩を忘れなかった正之は、その冥福を祈るため清泰寺に霊廟を建てました。なお、安政5(1858)年建立の現在の墓石は、会津藩により建てられたものです。会津の人々も、名君を育てた見性院を慕っていたことが分かります。
(看板資料より)

見性院は武田信玄の娘で、武将穴山梅雪の妻になり、梅雪死後は徳川家康の庇護を受けました。慶長16(1611)年5月、二代将軍秀忠に第四子幸松丸が誕生(母はお静の方)すると、見性院はその養育にあたりました。幸松丸は七歳で高遠の城主保科正光の養子となり、のちに保科肥後守正之と称しました。家光の時代には山形からさらに会津23万石の藩主となり、兄家光を助け幕政に参画するようになりました。保科正之は会津松平家の祖となりました。元和8(1622)年5月9日、見性院は没し、采地であったここ大牧村清泰寺に葬られ、一本のケヤキが植えられました。また、正之は養母の死をいたみ、寺境内に霊廟をつくりました。
元禄期になり、保科正容のとき松平の性と三ツ葉葵の紋が許されました。霊廟は壊れてしまったので門扉のみがここに移され、また墓標のケヤキも倒れてしまったので安政4(1857)年に会津藩により墓石が建てられました。
(看板資料より)

見性院の墓

見性院の墓は本堂の向って左側の奥にありました。案内板の指示どおりに進めばたどり着けるのですが霊廟の門扉に閉ざされてしまい正面から見ることはできませんでした。というのも墓域の手前に柵があって中には入れないようになっていたのです。再び本堂の右側に行ってお寺の方にお話を聞かせていただきましたが、中には入れてもらえないとのことでありしかたなく少し横に行ってみると奥の墓石をみることができたので望遠レンズで撮影してみました。毎年一度6月のある日に縁者の方が集まるとのことであり、その日であれば一日中門が開いているので正面からみることができるとのことでした。それ以外にも見性院の位牌や三具足など、ゆかりある品についても一般公開はしていないとのことでした。会津藩により建てられたとはいえ、見性院さまは会津の人たちにとられてしまったようで少し寂しかったです。

 


平林寺
南松院
最恩寺

 

 
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