本能寺

伝承によれば、武田信玄の父信虎は天下平定を夢みて、政略のため娘（信玄の妹）禰々を天文9（1540）年11月29日信濃の武将諏訪頼重に嫁がせ、天文11年4月4日一子虎王丸を儲けた。
然し、信玄は天文11年6月24日頼重の居城である上原城を攻め、やがて頼重は捕らえられて板垣信方の邸、現在の東光寺（甲府市東光寺町）に幽閉され、7月21日早朝切腹を命じられた。
のち虎王丸の母は、わが子にも危難が及ぶのを恐れ、河内の親族、下山の穴山氏（穴山信友室南松院、禰々の姉）に託すべく、家臣をつけて送り届けるため箱原まで来たところで、信玄の追っ手によって虎王丸は殺された。
哀れに思った箱原の村人は、懇ろに本能寺の裏山に葬り、小さな五輪塔を建てた。
（石碑記載文章より）

諏訪頼重と信玄の妹である禰々の間に生まれた寅王は武田信玄が高遠頼継との間で諏訪をめぐって争ったときに武田方に担ぎ出されて利用された後、その後の行方はまったく分かっていないとのことでした。
新人物往来社「定本武田勝頼」の「禰々御料人と寅王」のところには、寅王は富士川の沿岸のどこかの寒村に埋められているという説もあると書かれていました。この本の著者である上野晴朗氏も寅王の墓がどこにあるのかは分からないとのことでした。
ところが先日、虎王丸の墓があるとの情報を得たので今回早速行ってみることにしたのです（→甲斐武田を探険っ!!）。

本能寺は地図にも載っていたし大体の場所は分かったのですがなかなか現地に近づくことができず、そのうちカーナビのGPSもおかしくなってしまって現在地が狂ってしまって苦労しました。十国温泉への入口のところのお店で場所を聞いてなんとかたどり着くことができました。本堂前に車を止めましたが雪が残っていて子供が除雪作業をしていました。そのうち私の行動を怪しんだご夫人が来られたので虎王丸の墓の場所を尋ねたところ親切に教えてくれました。なお、虎王丸についても聞いてみましたが、詳しいことはお墓のところに書かれているので読んで欲しいとのことでした。