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静岡県牧之原市

竜眼山城

2012年02月19日

城址は、高根山丘陵南端から東方駿河湾に張り出す丘陵の先端、標高80mにあって東西2郭から構成され、榛原公園の地が主要部で、北西と南西隅に土塁の一部が残存するが、公園として早くから整地された結果、ほとんど遺構を失った。西側の第二郭は広い茶園で主要部とは幅6mの空堀で区分されているものの、ほとんど埋没し、それとおぼしき低地が残るのみである。第二郭の西端と北側にそれぞれ幅6mの二重堀を設け、特に西側の二重堀の外は高根山丘陵に接続するため、中間の土塁が旧状ではかなりの高さを持っていたであろう。現在は削り落とされて低くなり、堀も年々埋め立てられている。
この城は一般には勝間田氏の属城とされているが、堀幅や地形などから考察すると、勝間田氏の関係のものではないように考えられる。むしろ榛原郡相良町法京にある滝堺城(武田氏築城)と類似の形式が認められるところから、あるいは戦国時代に武田氏が小山城と滝堺城を結ぶ「繋ぎの城」にしたと考えるほうが妥当と思う。そして地勢上からみて、地方土豪の城とは感覚的に異なり、榛原町切山にある勝間田城の「北の城」との関係も推測されるが、いまだこれを立証する史料がない。いずれにしても、この竜眼山城を勝間田城の属城とする考え方には一考を要すると思う。
(日本城郭大系より)

土塁跡

掘切跡

展望台からの景色

 
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