<４日目>１９８８年７月２４日（日） 普通 雨→曇り 

６時起床。カメラの電池を交換し、荷物を整える。便所へ行くが未だに下痢気味である。しかし昨日は何も食べていないし今朝は何となくだるい。やはりなんか食わないと身がもたない。
７時ちょっと過ぎにいつもの中庭の中華料理のレストランへ行ってお粥を２杯食べる。おかずには大根の変なやつで日本にもあるやつだが名称を忘れた。これが非常にしょっぱい。部屋に戻ってきてから支度をして麗都ホテルへ行く。フロントを通ってＣＩＴＳの前まで来るが誰もいない。・・・まだ２０分前で早かったのだが念のためフロントに今日のＯＰの券を見せるがＣＩＴＳの方を指してあっちだということだ。しばらくいると老人が来て荷物を置いた。そこで老人に「optional tour?」と言ったら、話しは分からないが多分そうらしい。私と同じ券を見せてくれた。その後ちらほらと人が集まってきた。これがかなりの人数になった。（この間に本屋で日本の雑誌を買う）
８時１５分くらいになってバスに乗り込む。私は後方の席へ座る。一番後ろには中国人だか香港人だか、多分中国人だと思うが子供連れの家族のようだ。さっきの老人は前の方へ行ってしまった。 ８時２０分出発。バスが動き始める。なかなか奇麗なバスで去年の生協ツアーを思い出す。しばらくしてバスは止まってしまった。はて？と思っているとまた人が乗ってきた。africanみたいな黒人やら日本人みたいな親子も乗ってきた。他のホテルから来たらしい。 その親子のうちの娘の方が私の隣に座った。顔は香港人みたいな顔をしているので香港人だと思った。英語も話している。さてバスは再出発。私はリドーで買った雑誌、週刊朝日をひたすら読む。
・・・町中を出たところから隣の娘はやたらと外を見ている。そしてカメラを出して撮ろうとしているので「change seat?」と言ったつもりが、カメラを渡され たので撮ってやった。それから「Where are you from?」と聞いてみると「I'm from U.S」ときてビックリ。なんとアメリカの人。多分日系のアメリカ人かなんかかなあと思っていたが母親が中国語ペラペラ。これは中国系のアメリカ人か？ 話しによるとアメリカから北京に来て、香港、その次はどこに行くのか忘れたが来週には東京に行くらしい。日本では京都と奈良に行きたいらしいが行かないようだ。しかし母親は行っているらしい。
東京の地下鉄路線図を見せると母親の方が、銀座〜池袋どれくらいかかるか？と日本語で聞いてくる。この母親日本語も少し話せるらしい。２０分で１４０円と教えてやった。あと、日光にも行くらしい。外ばかり気にするから席を交換してやろうと思ったのに遠慮している。
また雑誌を読みつつ最初の目的地、明の十三陵に近づいた。どうも最近の北京の天候は午前中雨が降って、午後から回復するようだから、今は雨が降っているが万里長城では青空も期待出来そうだ。バスの前では中国人ガイドがうまい英語で何やら話しているがあまりよくわからない。
そのうちあの石像が見えてくる。去年も来たところだ。

そこを通り過ぎて定陵に向うＰに着きバスを降りる。少し歩くと去年写真を撮った便所があった。そこから入口へ向う。入口の写真を撮りたかったがまだ雨は降っているし、皆はどんどん行ってしまうので、はぐれたら大変と、先を急ぐ。
入口をはいって暫く行った所で集合して更に地下宮殿入口へ向う。一ヶ所非常に狭いところがあって非常に混んでいる。（この間に資料室みたいな所へ入る）やっとのことで通過し、宮殿入口でまた集合。
中国人ガイドが中の説明をしているがよく分からない。１１時３０分にバスで集合だけ分かればよいのだ。そこから地下へ入って行く。去年も来た所なのでどんどん進む。一緒の外国人たちもあまり興味が無いらしくすたすたと歩く。
地下から出てきて塔の所へ来て周りの山を一望しようとするが霧が濃くて全然見えない。去年よりひどい。そこから出口へ歩く。途中日本人のツアー客のグループみたいのがいた。出口のすぐ近くで葡萄の変なジュースを買って外に出てＰに向う。バスにはガイドとafrican黒人がいた。バスに乗って皆を待つ。４０分には皆来てバスは出発する。がすぐに止まりさっきの動物の石像を見るらしい。私も降りる。てこてこと歩きバスに乗る。やたらと人民帽を売りつけてくるが撃退していく。
バスに乗ってからさっきの母子と席をとっかえてやった。今度は廊下側で隣には品の良いおじさん。どこから来たのか聞いてみたがなんとイングランド。先週の水曜日から来ているらしく今度の土曜日までいるらしい。
バスは直接長城へ行くのかと思ったら、１２時３０分には変なところの２階で昼食らしい。隣に座ったのが右側が英語を話す中国人で左側が最初の老人。なんな箸を使うのに困っているらしい。が結構うまい。隣の中国人が箸の使い方の講義を始めた。みんな真似をしている。私も隣の老人にＡＭＶＩＣでやったように教えたが通じたかどうかは不明。
料理はギョウザの親戚みたいなものがうまかったがあとは食えたものではない。特に「メシ」これが最悪であるが西欧人達は結構食っている。みんな米の味がわからないのだろう。
食後再びバスで長城へ！どうも天気が回復しない。これは今回も奇麗な写真は望めそうに無い。そのうち道路は大渋滞で車は全然動かない。ああ暇だ！と、遠くに長城らしきものがみえて思わずGreat Wallと言ったら隣のイングランドおじさん何やら言うが分からない。 
結局Ｐへ行く手前でみんな降りて歩く。長城の前の広場まで来てびっくり。長城を歩いている人の何と多いことか！ 人でぎっしりうまっている。おまけに雨はやんだが霧がひどい・・・ 広場で集合してまたガイドが何やら言っているが、１時間後にバスに来いと言ったのだろう。そこで解散して長城に登る。
去年は右の方へ登ったので今年は左へ行く。人がいっぱいで写真は撮っていられない。それにこの左側は坂が急だった。しばらく登ったが非常に混み始めた。ところどころ門があってこれが狭いために人が通れない。このままでは将棋倒しになりそうである。面倒くさいからここから引き上げる。
もう長城は霧に包まれて見えない。長城の下まで戻ってきて降りようとするがここがまた非常に混んでいる。ラッシュアワーよりひどい。ここで同じオプショナルツアーの青シャツの人に出会って一緒に苦笑い。反対側がすいているので指を指して向こうから降りようということを伝えて一緒に降りてきた。
さっきの広場に来て青シャツの人に「バスへ行かないんですか」と聞くとこの広場で集合するらしいのだ。この人についてきて助かった。この人はイタリアから来た人で隣に座って色々喋った。仕事で北京に来ているらしく今まで会議などがあって明日香港へ行くらしい。仕事は何かの技術者で今日は観光を楽しんでいるとのことだ。イタリアの北部に住んでいてヴェニスから近いらしい。
東京の気候を聞かれたので今はどうなっているか分からないが涼しくて雨が多いと言った。東京の冬はどれくらいの気温か聞かれたのでマイナス２〜３℃で寒いと言ったら彼の住んでいる所はマイナス２０℃位になるらしい。−２℃など寒くないらしい。
学生であるというと何を勉強しているのかと聞かれて「I study physics」と答えた。あと私は日本で英会話をやっていてカナダ人の先生についているが英語はよく喋れないというと言葉を勉強するのに大事なことを言っていたがよくわからなかった。このイタリア人よく話しかけてきて随分話した。中国には日本のツアーの人が多いとかその他いろいろ。
そのうちみんな集まってきた。話している間ずっと傘に入れてくれて親切な人だった。３時３０分に集合してバスに向う。Ｐからなかなか出れずに長城を出たのは４時だった。隣のイングランドの人は長城の頂上まで行ったらしい。バスはまた初めは少し混んでいたが後は順調に動き出した。「How do you find this op tour ?」とイングランドの人に聞いたがホテルで見つけたらしい。帰路はみんな疲れたのか寝ているが私は寝ない。こういう所で眠れないのが私の長所であり、短所である。最初から最後までやたらとうるさい香港人みたいなヤツ（むかつくヤツ）も静かになった。

２時間たって６時にリドーホテルに到着。横のＵＳ母子と後ろのイタリア人に「Good bye!」して隣のイングランド人と降りる。一旦リドーに入って行くがすぐにヤンシャンに来る。
やっと煙草が吸える。お湯を飲んで休息。日記を書く〜７時３０分。 書き終えて一服。外を見るとまた雨が降ってきた。今日は靴をはきっぱなしで足には水虫が再発してしまった。
８時近くなったのでそろそろ夕食を食わねばならん。またもや中庭レストランへ行く。ここはいつもガラガラに空いていて客は私と中国人２人と外人１人しかいない。まあ、注文するとすぐに来るのでひじょーに良い。いつもそうだが１人であることを告げるとまず席まで連れていってくれて座らせてくれる。次にテーブルの上いっぱいに食器が置いてあるのを１人分だけ残して全部退かしてくれて膝の上には白い布を敷いてくれる。そしてさっぱり分からんメニューを見て注文する。いつも実際に料理が来てみないと分からないのだ。しかし今日はいつもより時間をかけてメニューを見る。この前食べた魚の白身の冷たいやつが食いたかったし、あとはRiceと書いてるのを見て２つ注文したが魚の白身は来ない。しかし大きめの皿に鶏肉の空揚げみたいなやつと糖尿病に効く野菜にたいなやつと変なやつを卵で巻いて薄く切ったやつがのって出てきた。これは口に合う。次にはなんと日本でおなじみのチャーハンである。メニューのところは山東焼飯である。これもうまい。（日本と変わらない）しかし量が少なくあっという間にペロリである。次にすぐ来たのが一見春巻きのようであるが食べてみると中には肉っぽいものとチーズが入っていてこれもまたうまい。コカコーラを飲みながら食べる。今日の夜めしは日本を離れて以来最高の御馳走であった。しかし値段は５０元と高い。
部屋に帰る途中ビールを買おうとしたが売っていない。仕方無く部屋に戻ってテレビをつけると２局しかない番組は両方映画をやっていた。それから風呂に入る。今日は熱い湯が出るのだが温度の調節がなかなか難しい。熱くなったり冷たくなったりで丁度良い湯が出てこない・・・ 〜９時。
やっと外は暗くなる。 非常に１日が長く感じるがやっと生活が慣れてきたのかもしれない。正露丸をまだ一粒も飲んでいないことには驚きである。北京も明日と明後日で終りである。やっと北京を離れる日が近付いてきたが北京での生活もすてがたいものがある。
火車の切符が遅れて良かったのではなかろうか。明日はどうするかこれから決めねばならない。そういえば今日はビビクソが林間学校から帰ってくる日で誕生日である。家ではどうしているかと思いつつ、しかし電話はしないことに決めた。電話代もバカにならないのである。大和はちゃんと塾の任務を遂行しているだろうか？・・・・・