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カラクリ湖


<21日目>1988年8月10日

7:00起床。歯を磨こうとするが水が出てこないので、湯で歯を磨く。荷物の整理をする。ここに来てやっとセーターを使うときが来た。なにしろカラクリ湖は標高3600m、富士山とほぼ同じである。寒いだろう。
外はまたゴロゴロ、ピカーッで雨が降っている。今日は行かれるのだろうか?と思いつつ、9時に一応入口に集合なので行ってみる。オアシス賓館の人達はいた。が、ミスタージョンともう一人男の人がまだ来ていない。雨が少し降っている。どうも行かなさそうである。行っても何も見えないかもしれない。9:30にジョンが起きてくる。みんなでコーヒーショップのところへ行く。ジョンの様子ではどうも行くらしい。まぁ私としては今日限りなので嬉しかった。
しかし他の4人はどうも行く気がないらしい。結局天気はよくならないがジョンによるとカラクリ湖は天気がいいらしい。それに山が見えなかったら半分の400元でいいそうだ。そして2時間後にまたここに来て天気が良ければ行くことにして別れた。
私ともう一人の老賓館の人で公安局へ行くことにした。彼はビザが8月14日で切れるらしいので延長願いである。さすが公安局、入口には恐そうな男の人が立っている。中に入ってみると10:30から開くそうで少し待つ。
10分ぐらいで終了し、外へ出て中国銀行へ行く。がやっていなかったので向かいの食堂に入ってみるとオアシス賓館の人が1人いた。私がどうしてもカラクリ湖へ行きたいので誘ってみるがどうも行かないらしい。しかたなく11:15にそこを出てホテルへ向う。
11:30にコーヒーショップに行ってみるとジョンがいた。空も少し回復してきて遠くの方は晴れ間が見える。ここで私は大決心して1人で行くことにしてジョンに800元支払う。ジョンは驚いていたようだ。ペプシを飲んで11:40出発である。出発直前にあのタシクルガンへ行った夫婦がいた。車は三菱のパジェロである。ドライバーと私の2人でレッツゴーである。
車は時速100km/hで飛ばす。クラクションはほぼ鳴りっぱなしである。途中フロントガラスにカラスが激突! 郊外に出て砂漠の中を車は進む。山も見えてきた。今日の天気はジョンの言った通り大丈夫かもしれない。1時間ほど走って突然通行止め(12:40)。舗装工事中である。しかたなく車は砂の上を走ろうとするが駄目で戻ってきて工事が終わるのを待つ。暑い。
後ろからも車が3台くらいやってくる。13:20個工事は終わったみたいなので出発である。道の横には川が流れ始め谷の中へ入っていく。周りは赤い山である。14時車は再び止まる。崖崩れらしい。待っても待っても動かない。歩いて前の方へ様子を見に行ってみるとなんと道が半分無くなっていて上から砂利がシャラシャラ流れ落ちてくる。もうここはいつ崖崩れが起きても不思議ではないのだ。工事をしている人達も上を見ながら恐る恐るやっている。逃げようとするが工事監督者が呼び戻す。

こんな所が数ヶ所連続してあって、ここを抜け出すのにてこずり15:40やっと車は動き出す。雪山も見えてきた。
16時 検問があってパスポートを持っていく。別に問題はない。ここから少し登りが急になりまた舗装工事なんかもあってイライラしてくる。今日中に帰れるのか心配になってくる。
峠らしき所を越え、目前には湖と砂山と雪山とパオ、羊が見えてきた。彼らはキルギス人らしい。止まって写真を撮りたかったが先を急いで車は飛ばす。
17:30やっとカラクリ湖到着である。全然寒くない。半袖で十分である。写真を少し撮ってから食堂へ行きめしを食う。標高が高いせいかまずい。
そしてまた写真を撮りまくる。右側の山は良く見えたが左側の山は雲がかかっていてあまりよく見えなかったが、すばらしい所である。天池など問題ではない。800元の価値は十分にあるだろう。反対側は山を越えるとソビエトだし、ここからパキスタンもすぐである。本当に中国の西の端まで来てしまった。

 

運転手は19:30にここを出ようと言ってくれたが、19時に出発してもらう。帰りは工事が終わっていてスムーズに車は走れたが1ヶ所大きな崖崩れがあり、私も石をどかすのを手伝った。もう崖が垂直どころではなくこちらに突き出ているのだ。恐い。ビクビクしながら車に乗っていた。
行きは6時間かかったが帰りは3時間ちょっとでホテルに着く。22:20。まだ太陽は出ていた。

ホテルに着くと例の行かなかった4人がいて、天気はどうだったかとか聞いてきたので素晴らしかったです。と言ってやった。この裏切り者めらが!
ジョンがビールをおごってくれて飲む。みんなが歓迎してくれた。そして例の食べなれたメシとチャーハンを食べてペプシを飲んでジョンと一緒に写真を撮る。ななんと今食べたもの全てfreeだそうだ。
0時になってみんなが忙しそうなので部屋へ戻る。疲れているのだろうがなかなか寝られなかったが1:30に寝る。

 

 
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