天然記念物「さかさ柏」
往古、甲越戦に際し甲斐の将、武田信玄はここに馬を駐め、敵状を偵察しながら手にした柏の杖を逆さに挿した。
(史実・海の口の合戦)
後に、この杖から芽を吹き今日に至ったものといわれ、幾、風雪に耐えた。その枝張りの奇態など珍重すべきものがある。
(看板資料より)
さかさ柏
武田信玄が平賀源心を攻めた時、野辺山の袖先で休んだ。その時杖について来た柏の杖を、逆さまにしたまま立ち去った。するとその杖はそのまま根が生えて、枝が下に向かって伸びた。この木は上の方には伸びないで、枝もも地を這うようになったまま大きくなった。人々はこの木を「さかさ柏」と呼んでいる。
(南牧村の伝説より)
逆さカシワ
[特 徴]
カシワが変形した樹木でブナ科の落葉の広葉高木。飯盛山の北西尾根、しし岩の北約1kmの鞍部にある。
根元からくねくね曲がり、1本真っ直ぐ伸びているが、他は地表または地中を数メートル這い、その先から上向きの枝を伸ばし特異な樹形をしている。根元の太さは周囲1.23m、高さ6m、立ち上がった枝の広がりは、西東の方向に約13m、南北11m余りでやや楕円形をしている。傾斜15°〜20°位の緩い北傾斜に生えているが、樹勢はすこぶるよい。
カシワは長野県から北は北海道まで特に多く分布している。長野県から西は急に少なくなるが、まばらに九州まで分布している。紀伊半島や四国地方は殆ど無い。生育地は、沿海地や火山の麓の日当たりの良い砂礫地で、海岸にも良く生育している。材は重硬で建築材、家具材、ビール樽等に使う。葉は柏餅を包む。
[伝 説]
武田信玄が、上杉謙信を攻めるため佐久へ攻め入った際、敵情視察のため休んだ峠の上で、杖にしていたカシワの木を逆さに挿し、忘れていったものが根付いたといわれている。この付近で、この様な形態をした木は他にはない。その原因については、風・雪・変種等いろいろ考えられるが定かではない。
(南牧村の文化財より)
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