トップページ↑

静岡県伊豆市

浄蓮の滝

2015年12月30日

 

滝の名称 浄蓮の滝
看板資料

浄蓮の滝は天城山中第一の大滝で、高さ25m滝壺の深さは15m。浄蓮の滝付近の標高は310m程ですが、川の水は清く冷たく、真夏でも16℃程しかなりません。
その歴史は古く、天城山の寄生火山である鉢窪山の噴火により流れ出した溶岩が滝を作りました。滝の名は左岸山中に浄蓮寺があったことに由来します。

伝説

女郎蜘蛛の伝説
天城の渓谷から北に流れる本谷川の水を集めて絶壁を落下する浄蓮の滝はまさに伊豆一の名瀑である。
むかし、この里に住む一人のおじいさんが滝壺のそばで畑仕事をしていました。どのくらい時間がたったでしょうか。
おじいさんは少し休憩をしようと川のほとりの木の切り株に腰掛けました。春の暖かい日差しにうとうとしながらふと泥で汚れた自分の足に目を向けると、一匹の美しい大きな女郎蜘蛛がせっせと足に糸を巻き付けています。
「わしの汚れた足を木の枝と間違えてるな」おじいさんはくすりと笑った。しかし、せっかく一生懸命よりあわせた糸を切ってしまうのはかわいそうな気がしたので、蜘蛛の糸をそっと足からはずし、今座っていた切り株にくるくると巻き付け畑仕事を再開しようと立ち上がりました。
するとその時、地面がぐらぐらっとゆれたかと思うと先ほどの切り株かメキメキと音を立てて引き抜かれ、そのまま深い深い滝壺へと引きずり込まれていきました。
「ややっ、これは!」
おじいさんが恐る恐る滝壺を見下ろすと、滝は不気味な渦と轟音を立てながらあたかも大きな口を開けたように切り株を飲み込んでいきました。
おじいさんはあまりの恐ろしさに慌てて畑から逃げ出しました。
「ああ恐ろしい、あれはまさしく滝の主だった。うっかりしていたらわしが飲み込まれるところだったよ」
おじいさんは命からがら村まで逃げ帰ると、村人たちにこの恐ろしい出来事を話して聞かせたので、それからこの滝に近寄る村人はいませんでした。
それからいく年もすぎてのことである。この村によその村から一人の木こりがやってきて、浄蓮の滝の滝壺のそばで木を切っていました。ふとした拍子にきこりの手から斧がぬけ、斧はあっという間に滝壺の底に消えてしまいました。
「やれやれ、これはしまった」
木こりは大事な斧が無くなっては仕事にならないと、着物を脱ぎすて、ざぶんと滝壺に飛び込みました。木こりは深い滝の底までもぐって探したが斧は見つからず、あきらめて上がってくると大きな岩の陰から、
「もしもし」
と女の声がしました。木こりが顔を上げると、若い美しい女が木こりの斧を持って立っていました。
「これはあなたの斧ですね。さあ返してあげましょう。ただしあなたが私の姿をここで見たことを誰にも話さないと約束してください。もし約束を破ったなら、その時はあなたの生命を頂きます。」
木こりはその言葉に大きくうなづくと、女の手から斧を受け取りしばらく夢でも見ていたかのようにその場にぼーっとしていました。
しばらくして我にかえった木こりは、斧を持って滝をあとにしました。それにしても不思議な事もあるものだと思い、それとなく村人たちに聞いてみると、村人たちは口をそろえて滝の主の恐ろしさを話して聞かせました。木こりはようやくあの時の美しい女が女郎蜘蛛の化身であったことが分かったが、約束を守ってそのことだけはみんなには話しませんでした。
その後、木こりはよその山へと移って行きましたが、あの滝の恐ろしい思い出だけは忘れることはできませんでした。そうしてある時木こりがその村に戻ってきて、仲間の木こり達と酒を飲んでいると、いつしか炉ばたでは昔話に花が咲き、みんなであの滝の恐ろしさが語られ始めました。木こりはだまってその話を聞いていましたが、酒の酔いがまわるにつれて口が軽くなり、ついあの時の出来事を話してしまいました。
「お前たちは滝の主の女郎蜘蛛を見たことがあるかい?この俺は見たことがあるぜそりゃあきれいな女だった。」
木こりの話をみんなは信用しようとしなかったが、木こりは更に続けました。
「これは本当の話よ。主との約束で俺は今まで誰にも話さなかったんだ。しかしこれですっきりしたわい。」
木こりはその話を繰り返ししゃべる胸につかえていたものが取れたかのように、満足げに炉ばたに横になり高いいびきをあげて眠りにおちた。
木こりはそのまま深い永遠の眠りにつき、二度と目覚めることはなかったという。
むかしむかしの話である。
(看板資料より)

浄蓮の滝弁財天縁起
昔、対岸の山裾に建っていた浄蓮寺の堂宇が暴風雨による山崩れで壊滅したとき、この寺に祀られていた弁財天さまは自ら立ち上がって歩をはこび、波立ち揺れる滝壺の中へ静かに身を沈めていったと伝えられています。
かつて、滝周辺の谷筋は天災地変で崩壊を繰り返していました。このことは滝にまつわる女郎蜘蛛の伝説が象徴的に物語っています。
弁財天入水の後、不思議にもこの辺りの地盤は安定しました。滝に近く天城路が設けられ滝に下る道の様は縁日の日の賑わいのもとが礎かれているのです。
既に弁財天の功徳を得て、浄蓮の滝は鎮まりまた世に現れていたのですが今、人は誰も滝壺の前に佇づみて藍色に揺らぐ深い水底に座す弁財天のお姿を拝することは叶いません。
ただ静かに眼をとし耳を澄ませば、たぎり落ちる激しい水音の中に一条の光が現われ、河川の守護神でありまた福徳知財学業満たす女神即ち弁財天が奏で続けている妙音を心に聞くことが出来るでしょう。
ここにお祭りする弁天さまは南足柄市在住の彫刻家、吉田幸蔵師が精神潔斎の結果浄蓮の滝水底の洞窟に鎮座される弁財天のお姿を心眼に見て再現したものです。
尚、浄蓮寺、滝の伝説歴史等資料館内に詳しい展示と解説がございます。
(看板資料より)

駐車場 有(無料)
トイレ有無 有(無料)
駐車場からの距離  
訪問日 2015年12月30日
コメント

 

 


GoogleMap

GoogleMap


 

 

<CanonEOS 6D EF24-105mm f/4L IS USM 45.0mm Tv:4.0 Av:8.0 ISO:100 NDフィルター使用>

 


 

 

 

トップページ↑